胡弓ライブ in ニューヨーク、初めて聴く反応とは?

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胡弓の音色は ニューヨーカーにどう受け止められる?

Kokyu is Japanese Violin that produces sound by rubbing three strings which are woven from silk with a horsehair bow.

と前置きをした後、秋の気配ただよう10月のNYの空に、胡弓の音色が響き渡った。

misatoが選んだ曲は「風の通り道」。ジブリ映画の認知度はニューヨーカーにもあるだろう、と予想しての選曲。
とはいえ、バイオリンのクリアな音色とは異なり、微かにかすれて連なるハスキーな音の繋がりを、NYの観衆はどう受け止めるか?

そんな懸念や緊張感を上乗せした胡弓の音色は、静まり返った会場の観客の隙間を縫うようにして、テラス全体に染み渡った。

約2分半の演奏が、5分とも、あるいは、永遠に続く時間のように感じられたのは、心配に見守った私だけだったろうか。

弓をおいたmisatoが静まりかえった会場にひと言「How was that?」

沈黙を破る圧倒的な拍手に、会場は包まれた、はずである(笑)、と、今回は物語風にお伝えします。

ニューヨークでライブがしたい!

misatoが(株)楽家へ入社する時に突きつけた要求は「ニューヨークでおわらを披露したい」ということだった。それがmisatoの目標であり、会社が目指す光にもなっていった。

その光が手に届くところまでやって来たのが、2022年秋のこと。同郷の三味線シンガーソングライターなつみゆずが、NYへ移住したことをきっかけに、我々は渡米をその1年後に設定。

ゆずが働くブルックリンのジャパンビレッジでライブを行うことを前提に、プランをはじめた

時はまだコロナ禍にあり、1年先に渡米できるかどうかも不透明ななか、我々のプランは船出をはじめた。ましては当時のアメリカの議会は、上下院のねじれ状態が続いており、入国者の規制緩和が思ったように進まない現状にあり、規制緩和に関する法案は一進一退。

ほんとうに実現できるの?と不安を抱えながらではあったが、「ニューヨークでライブがしたい!」という強い思いが、我々の背中を強く押していた。。。

なんていうドキュメンタリーはいずれ本にでもしようかな。このほかにも、色々なドラマがありましたが、ここでは胡弓の話に戻りましょう。

NYライブ初夜はラーメンとともに

ジャパンビレッジの前夜、ラーメン店「tabetomo」でライブをすることに。

NY在住の知人shinyaさんをギターリストに迎えて、準備したセットリストはこんな感じ。

1)NYインスタレーション at tabetomo
2)秋田荷方~りんご追分
3)黒田節(前奏.胡弓ソロ~三味線のみ~間奏挟む~三味線+胡弓)
4)おわら節(みみ〜合いの手後に唄&踊り)
5)津軽ソロ
6)風の通り道
7)こきりこ
8)スカポロフェア
9)Layla
10)Beat it

冒頭は三味線でインパクトを与え、徐々に胡弓が絶妙なからみを効かせてくるイメージ。三味線を聞いたニューヨーカーが「What’s that instrument!?」と驚いている直後に、「What the hell is going on? 」(一体、何が起きているんだ!)と畳みかける作戦。

胡弓を世界ではじめて耳にするかもしれない人が、まさかラーメンを食べているなんていうことは想像もしていなかったが、鼻から麺が吹き出すくらいのインパクトを与えてやろう、と挑んだNY初日ライブ。

チップもそこそこいただいたところによると、ある程度、好評だったのでは?と納得する。

当日の模様は、インスタライブで日本へも配信。スマホ越しに数10人のファンも、NY初ライブの様子を見守ってくれた。

ダメ押しといわんばかりに、shinyaさんのギタープレイが加わり、最後のBeat itは、ニューヨーカーと一緒に大合唱。

もう胡弓であろうが、何であろうが!?わからない感じ!?とはいえ、ニューヨーカーへ和楽器を届けた初夜は、打ち上げでいただいた美味いラーメンとともに、思い出に残るものになったのであった。

全4回のステージ+α

10日間のNY滞在中に、ライブは計4回。ジャパンビレッジでは三味線のワークショップも行い、胡弓とともに、三味線の音もしっかりと残せたのではないか、と感じています。

ラーメン店でのセットリストをもとに、「戦場のメリークリスマス」や「もののけ姫」を足したり引いたり、ほとんどのライブになつみゆずが同行してくれて、MCや通訳をしてくれたり、たくさんの写真や動画を残してくれたり、、、ニューヨーカーに無事に胡弓の音を届けられたのは、なつみゆずのおかげ。

みなさんもよかったら、チェックしてやってください。

NY最後の夜、ゆずちゃんの友人のパーティーにて、胡弓&三味線で飛び入り参加し、現地のプロミュージシャンと、こきりこやBeat itでセッション。

日本の伝統楽器・胡弓の音色は、ジャズのリズムとともに、NYの夜空へ溶けていくのでありました。

ニューヨークの胡弓&民謡ひとかけら

世界初というのは、実はビッグマウスで、グーグル検索によると、在住の奏者がいらっしゃるので、興味ある方はチェックして下さい。事前にわかっていれば逢いに行ったのに。。と悔いが残るところ。

なつみゆずの紹介でお逢いした人々のなかで特に印象的だったのは、NYで民謡舞踊の舞台を創作するグループの代表を務めるケビンさん。

お母様が日本舞踊をNYへ持ち込み、現地のニーズを汲みとるうちに民舞に興味を持たれてからは、日本との往来を繰り返しながら、日本各地の民謡舞踊を習得。それを息子のケビンに伝え、現在はゲビンが中心となり、本格的な日本の民謡舞踊をNYで伝えている。

「日本を伝えると言っている人の中には、ただ着物を着ているだけ、扇子や法被を身につけているだけ、という舞踊家も多い。そんなんじゃダメ。ちゃんとした伝統に基づいた、日本人にしかできない舞踊の舞台をつくりたい」と、その意気込みは日本人以上!?

胡弓を世界へ伝える、と意気込んでいる我々も、ただ上っ面だけでない、日本の伝統に基づいた音を、日本人の心とともに伝えたいものである、と改めて身を引き締めたところでありました。

ゆずちゃん、ケビン、shinya他、NYでお世話になってみなさん、Thank you so much!!!

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